いよいよ日本でもタクシーの事前確定運賃サービスが開始となり、スマホアプリでの配車予約時に運賃が確定されるようになります！事前に運賃が確定すれば渋滞や遠回り、料金メーターを気にすることなく安心してタクシーに乗ることができますよね。サービス開始時期、運賃の計算方法などタクシー事前確定運賃サービスの詳細について解説します。
目次
最近タクシー事前確定運賃サービス認可のニュースが続いています
2019年10月25日付で国交省がタクシーの事前確定運賃サービスを認可しました！現時点では、JapanTaxi、スマたく、MOVなどの配車アプリで利用でき、札幌、東京、横浜、長野、名古屋、大阪、京都、神戸などの27地域、約200の実施事業者（トータルで約20000車を保有）が対応を予定しているようです。
こんなニュースが出ていました！
国交省、タクシーの事前確定運賃サービスを認可
スマホアプリでの配車予約時に運賃を確定
国土交通省自動車局旅客課は、10月25日付けでタクシーの事前確定運賃サービスを認可した。28日以降、準備が整った地域からサービスがスタートする。
事前確定運賃サービスは、スマートフォン向けのタクシー配車アプリを利用する際、乗車前に運賃を確定させて予約できるというもの。乗降車地の地図上の走行距離と推計所要時間などを踏まえてタクシー運賃が算出される。
対応する配車アプリは、S.RIDE、JapanTaxi、スマたく、MOV。実施地域は札幌、東京、横浜、長野、名古屋、大阪、京都、神戸など27地域。実施事業者は約200社、約2万両。
また国交省からプレスリリースも出ています
タクシーの事前確定運賃サービスがスタートします
～タクシーを使いやすく、安心して利用できるようになります～
事前確定運賃について、令和元年１０月２５日（金）付けで認可しました。
これにより、１０月２８日（月）以降、準備が整った地域から、タクシーの事前確定運賃サービスがスタートします。
配車アプリを活用して、タクシーに乗車する前に運賃が確定することにより、「渋滞や回り道等により運賃が高くなるかもしれない」「到着するまでメーターが気になる」というタクシー運賃に関する不安がなくなり、タクシーが利用しやすくなります。
また、訪日外国人にとっても、事前に運賃を確定させて予約ができるようになり、タクシーを利用して円滑かつ安心な旅行ができるようになります。
※ 事前確定運賃とは、配車アプリ等で入力された乗降車地の地図上の走行距離と推計所要時間等を踏まえて算出するタクシー運賃
タクシーに乗る時に遠回りされないか、渋滞で料金が上がらないか心配になったことはないでしょうか？事前に乗客が運賃を知ることができれば乗客は安心してタクシーを利用することができますね！そうすることでタクシー会社側としてはタクシーの利用を促したい考えがあるようです。 乗客側としては渋滞に巻き込まれても運賃は変わらず、初めての場所で道順がよく分からない場合でも、料金メーターを気にしなくて済みますね！
事前確定運賃はどのように計算するの？
事前確定運賃はスマートフォンの配車アプリで乗車地と降車地を指定しルート検索を行い、地図上の走行距離と推計所要時間などを踏まえ、事前にタクシー運賃を算出し確定するものです。事前確定運賃の計算式は以下のように定められています！
（初乗り運賃＋加算運賃）× 統一係数＋迎車料金＝事前確定運賃
「統一係数」という言葉が登場しますが、これは営業区域ごとに曜日や時間で渋滞状況などを考慮して定められたものです。係数は直近年度の輸送実績をもとに毎年見直しを行うんだそうです。
例えば東京都の場合は下記のように定められています。
関東係数
大阪府・京都府・兵庫県では以下のように定められています
関西係数関西では京都で11月15日に開始！
「事前確定運賃」サービスは関西では京都で2019年11月15日から、大阪と神戸で2019年11月末にも開始となります。
近畿運輸局は2019年11月8日時点で京都・大阪・神戸の全12社（京都市がキャビックタクシーや都タクシー、高速タクシーなど計７社、大阪府が大阪市内3社と北摂1社の計４社、神戸市が１社）に事前確定運賃の導入の認可を出しています。各社はタクシー配車アプリの「MOV」か「JapanTaxi」を使うことが条件で事前確定運賃サービスを提供します。
タクシー配車アプリMOVのインストールは以下のリンクからどうぞ！初回インストール500円クーポンをゲットできます。
Japan Taxiのインストールは以下のリンクからどうぞ！こちらは何も特典はありません…
京都市では2019年11月15日にキャビックタクシー、都タクシーグループ３社、高速タクシーの合計５社がJapanTaxiを使って事前確定運賃サービスを始めます。大阪と神戸では国際興業大阪と大丸タクシーがMOVを使って2019年11月末にも始めるようです。
関東では2019年10月28日から順次開始となっています
関東での実施状況は以下の通りになっており、準備が出来次第順次開始となるようです。
実施事業者等
約160社、約16000両
実 施 地 域
東京都 特別区・武三交通圏（特別区、武蔵野市、三鷹市）
南多摩交通圏（八王子市、日野市、多摩市、稲城市、町田市）
神奈川県 県内全域
千葉県 京葉交通圏（市川市、船橋市、習志野市、鎌ケ谷市、八千代市、浦安市）
南房交通圏（木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市、鴨川市、館山市、
南房総市、安房郡鋸南町）
配車アプリ会社
S.RIDE （みんなのタクシー（株））
JapanTaxi （JapanTaxi(株)）
MOV （(株)ディー・エヌ・エー ）
事前確定運賃はこんな場合はどうなる？
事前確定運賃よりもメーター運賃のほうが安いという場合
返金はできないようです。
しかし、国土交通省は新システム導入にあたって、東京23区と武蔵野市、三鷹市などで事前に大がかりな実証実験をすでに行っています。料金事前確定の利用回数は7879回もあり、予測値として事前に入力していた乗車地から目的地までの確定運賃と、実際のメーターでの運賃総額の乖離率はわずか0.6%で、事前確定運賃はおおむね適切に予測がなされていたことになり、大きな心配は要らなさそうです。
事前確定運賃での走行中に乗客の都合でルートを変更する場合
事前確定運賃を支払った上で、その地点からメーター運賃に切り替え、メーター運賃分を追加で支払う必要があるそうです。
突発的な事故や渋滞に遭遇した場合
事前確定運賃のまま、ドライバーが乗客の同意を得て迂回することもあるそうです。
事前確定運賃で配車された場合メーターはどうなる？
メーターはカバー等で覆います。アプリによっては事前確定運賃がメーターに表示されたまま運行されるようです。
事前確定運賃サービスを利用するのに必要なタクシー配車アプリとは？
現時点で事前確定運賃サービスに対応済みのアプリは「S.RIDE」、「Japan Taxi」、「スマたく」、「MOV」の４つにとどまっていますが、今後、認可は増える見込みだということで、乗客の利便性の向上につながると期待されています。DiDiモビリティジャパンも、2019年9月の会見で事前確定運賃について準備中と明言しており、近日中にサービスが提供される見込みです。
タクシー配車アプリについての解説は以下の記事をご参照下さい
タクシー事前確定運賃サービス開始に伴う今後の展開
相乗りタクシーや変動迎車料金の導入？
実は配車アプリを用いた事前確定運賃サービスは、2017年に国土交通省の主導で実証実験が行われていたのです。それから約2年を経て正式導入されました。その間には様々な実証実験が行われていました。例えば、配車アプリによる事前確定運賃を前提とした『相乗りタクシー』（複数の利用者を1台のタクシーにマッチングし、1人で利用するより割安な運賃で利用可能にする）や、迎車料金を時間帯による繁閑に応じて変化させる『変動迎車料金』などです。今後これらのサービスが導入される可能性があるでしょう。
MaaS普及への起爆剤？
今回の事前確定運賃は、複数の交通機関を一括して利用・決済するMaaS（Mobility as a Service＝マース）の普及につながるものと期待されています。電車、バス、タクシーを乗り継いだ場合の一括運賃決済が可能になるためで、今後のマースの普及拡大に弾みがつきそうです。すでにJR東日本はS.Rideを運営するみんなのタクシーとマース領域での提携を発表し、互いのアプリを連動させて鉄道とタクシー双方の利便性を高めるとしています。
国交省が地域の公共交通活性化に向けた対策案として「地域版マース」を挙げています。特に地方都市では電車やバスだけでは移動が困難な場所も多くあります。これまで正確な額が提示しにくかったタクシー運賃について事前確定運賃を導入できれば、総料金がより正確にわかるため、地方都市においても公共交通の活性化が期待できます。
最後に
タクシーの事前確定運賃サービスが開始となりますので、サービスの概要、サービス開始時期や対応地域、運賃の計算方法、サービス導入に伴う今後の展開などを解説しました。特に初めての土地など道がよく分からない場所でタクシーに乗る時は大変心強いサービスだと思います。サービスが開始になれば是非利用してみたいと思います！