博多で美味しい寿司を食べたいといろいろ調べて電話をしたところミシュランの星を取られたこともある「鮨 久保田」の予約が取れたので行ってきました。江戸前の仕事がされたハイレベルな握りを含んだコースがとてもリーズナブルでコストパフォーマンスがとてもいいと感じました。つまみや接客面が改善されればとんでもないお店になるのではないかと期待される寿司屋でした。食べたものをご紹介します。
目次
鮨 久保田とは?
福岡県福岡市の西中洲にあるお寿司屋さんです。「ミシュランガイド福岡」で1つ星を獲得しているお店です。下の地図青丸の場所にあります。
住所:福岡県福岡市中央区西中洲10-4 ワコービル 1F
電話:092-724-6667
鮨 久保田の特徴
鮪を出さないという方針
何と言っても寿司の花形である鮪を出さないというポリシーをご主人がお持ちのことでしょう。直接理由をお店で伺ったのではないのですが、鮪は築地に集まってしまい、福岡では本当に良質な鮪を手に入れることが難しいのがその理由だそうです。福岡は魚が美味しいので福岡近海・九州でとれる美味しい魚を使うというポリシーは個人的には嬉しいです。
美しい焼き物で料理が提供されます
器がとっても美しいです。おそらくとてもいい焼き物を使っておられると思いました。九州だけあって有田焼なのでしょうか?この徳利なんかはなかなか見ないきれいな徳利でした
靴を脱いで上がる落ち着いた店内
お寿司屋さんには珍しく店内には靴を脱いで上がります。掘りごたつと畳でくつろぎやすい雰囲気です。カウンター7席のみのこじんまりとした空間でとても落ち着きます。朱色の壁が印象的です。以前この近くの「山ぼうし」さんというお寿司屋さんを訪れたことがあるのですがそちらも朱色が印象的なお店でした。博多の寿司屋さんでは朱色が流行っているのでしょうか?落ち着きますがちょっと照明が暗めです(写真がいろいろぶれているのは照明が暗いせいと言い訳をしておきます…)。
鮨 久保田のコース内容をご紹介
最初につまみを出してから握りに入るというスタイルではなく、つまみを少し出して、握りを少し、またつまみに戻って最後に握りという順番でした。
煮蛸
関西の寿司屋では明石の蛸を煮蛸にしてよく出てきます。それらを食べ慣れているとちょっと違和感を感じてしまいました。最初に違和感を感じてしまうと挽回するのに少し時間を要してしまいます。
生の食感を残したかったのか少しベタっとした食感で身の締まりが緩く、皮も剥がれてしまっていて艶もイマイチで見た目も違和感があります。そして塩をふって食べるのですが塩が煮蛸の味を引き出すというよりは塩の味が勝ってしまっています。茹で蛸だとこのような食感でもいいと思うのですが、煮蛸となるともう少し煮て、その後しっかりと味を染みこませて欲しいと個人的には感じました。僕が勉強不足で関西の煮蛸の甘めの味付けが例外で関西以外の煮蛸はこんな感じが定番なのでしょうか?そういえば関西以外のお寿司屋さんで煮蛸を食べた記憶がありません…
鰯の海苔巻
ホタテ味噌漬け
最初に噛むと磯の風味がして、ホタテの甘味が来て、最後に七味の辛さが来るという感じで口の中で味が変わっていきます。ピリ辛で酒のアテにはいいのですが2切れ目を口に入れた時に七味の辛みがまだ口の中に残っていて一切れ目ほどにホタテの風味を楽しめなかったのが残念でした…ちょっと七味が強すぎましたかね
わたりがに
内子と一緒に和えたもののようです。普通に美味しかったです
やりいか
細かく包丁が入っており柔らかく美味しいです。しかし少し水分が多くべちゃっとしてしまっているのが残念です。個人的にはいかはねっとりとした食感が残っている方が好みです。
新子
ここでつまみに戻ります
アカムツ幽庵焼き
アカムツは脂がよく乗っているのが美味しいものですが、脂のべたつきがちょっと強かったです。これだけ脂が多いともうちょっとさっぱりと食べたいところです。塩焼きでも十分に美味しそうなアカムツでした。
あん肝
このあん肝は最高です。ねっとりした食感でクセが全くなくパテにしたような舌触りで日本酒との相性が抜群です。
鱧のたまご
鱧はよく食べますがたまごは初めて食べました。こちらも日本酒との相性がよく酒が進みます。そして器が美しい!
いかめし
いかめしとはしっかりといかに味が染みているイメージなのですが煮過ぎて硬くなるのを避けるためか、いか、たこの味付けが全般的に薄いのが個人的には残念です。これは個人の好みの問題なのでしょうが…
スッポン茶碗蒸し
スッポンの出汁がとても美味しかったです
かすご
あこう昆布締め
あじ
かつお漬け
シャコしゃぶしゃぶ
写真がブレブレですが…シャコをこういう食べ方をしたことがなくとても新鮮でした。レアでとても美味しかったです。
車海老
穴子
しじみ吸い物
巻物
玉子
お会計は?
おまかせコース(つまみ8品、にぎり10カン)にビール2杯、日本酒で合計14000円でした。このコース内容で驚きのコストパフォーマンスです。
感想
つまみに関してはちょっと厳しい意見を書きました。この前に行った寿司屋が札幌の宮川さんだったので求めるレベルが高くなり過ぎたのかもしれません(^^;)
つまみにも仕事を加えて美味しく食べて欲しいという思いがあるのではないかと感じましたが、きっといい魚を使われているのでシンプルに素材の味を活かせばもっと美味しいんだろうなぁという個人的感想です。握りは江戸前の仕事がきっちりされていて非常にレベルが高くて美味しかったですし、トータルで見るとちょっと飲んでこのコースの内容で14000円は大阪や東京ではお目にかかれないコストパフォーマンスです。つまみのレベルが上がればとんでもないお店になるんじゃないかと期待しております。あとはせっかくこだわりを持たれているのですし、どこの魚であるとか、どういう料理であるとか、どういった工夫がされているとか、器のこだわりとかもうちょっと説明頂けると食べる方もより楽しいんじゃないかなと思いました。また行ってみたいと思います。