国内旅行・海外旅行はいつから行けるのか?Go To Travel キャンペーンの概要と外出自粛の段階的緩和

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政府は新型コロナウイルス感染収束後の一定期間に行われる旅行需要喚起策「Go To Travel キャンペーン」を7月下旬から実施する方針と報道されました。どのような仕組みで旅行の割引が受けられるかまとめました。また、政府が発表している「外出自粛の段階的緩和の目安」を参考にいつから国内旅行に行っていいのかを考察しました。

「Go To キャンペーン事業」は2020年7月下旬から実施予定

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けて打撃を被った旅行業界や飲食業界向けの官民一体型の需要喚起キャンペーン「Go To キャンペーン事業」を7 月下旬から実施する方針であることが5月25日に報道されました。

「Go To キャンペーン事業」は4本柱で構成

2020 年度第1次補正予算で約1兆6,794億円が計上された「Go To キャンペーン事業」は、旅行ばかりが注目されがちですが実は他の事業の支援も含まれています。

旅行業界向けの「Go To Travel キャンペーン」、飲食業界向けの「Go To Eat キャンペーン」、エンターテイメント業界向けの「Go To Event キャンペーン」、小売事業者向けの「Go To 商店街キャンペーン」で構成されています。

①Go To Travel(観光)キャンペーン
②Go To Eat(飲食)キャンペーン
③Go To Event(イベント・エンターテインメント)キャンペーン
④Go To 商店街 キャンペーン

Go To Travel キャンペーンの内容

「Go To Travel キャンペーン」のひとつであるGo To Travel キャンペーンは新型コロナウイルス感染収束後の一定期間に限定して行われる旅行需要喚起策となっています。

報道されているより深堀して報じられていたのは「旬刊旅行新聞」で日本旅行業協会(JATA)が行った緊急Webセミナーの内容を報じています

こちらからポイントをチェックしていきましょう!

過去の「ふっこう割」と同じ仕組みと予想

以前に何回か実施された「ふっこう割」などの旅行への助成金制度は、

認可された宿泊予約サイト・旅行会社からの申込みで
①宿泊予約サイトで申込む宿泊クーポンなど
②旅行会社から申込む交通付ツアーなど
の割引が受けられる

仕組みでした。

今回も同様の仕組みと予想されています。

Go To Travel キャンペーンの仕組みは?

今回のGo To Travel キャンペーンも対象商品は、募集型企画旅行のほか、受注型企画旅行宿泊を伴う手配旅行が対象となる予定のようですから、

旅行会社や宿泊予約サイトなどを通じて申し込む必要がある

旅行代金の半額相当分をクーポン付与などの形で割引

割引上限は宿泊付き旅行の場合は 1 泊あたり 20,000 円、日帰り旅行の場合は 10,000 円

という仕組みとなっています。

補助額が全て宿泊割引に充てられるわけではなさそう

補てん額の3割は地域での産品購入など現地利用クーポンとし、「宿泊費の割引と旅行先での買い物や飲食などに使えるクーポンを組み合わせる」とされていることもポイントでしょう。旅行代金や宿泊代金を割り引くだけでなく、土産や施設利用の割引券などと組み合わせることで、旅行先での消費喚起を狙っているようです。

例えば、旅行代金が5万円(補助金最大額)の1泊旅行のケースでは、1/2で上限最大の2万円が補助されます。補助額の内訳は旅行代金の割引が1万4000円、クーポン6000円で、旅行代金の支払額は3万6000円となるようです。

日帰り旅行でもOK

過去の旅行代金の補助事例では「宿泊を伴う旅行」が条件となっていましたが、宿泊だけではなく「日帰り」でも使えるというところがポイントです。
旅行代金8000円の日帰りバスの旅は、補助金4000円のうち旅行代金割引が2800円、クーポンが1200円となり、旅行代金支払額は5200円となるようです。

過去の旅行助成金と規模は桁違い

2016年の熊本地震で被害を受けた九州全域への旅行助成金(九州ふっこう割)は180億円、2018年に起きた北海道胆振東部地震で被害にあった北海道の旅行助成金(北海道ふっこう割)が81億円だったので、今回の「Go To キャンペーン事業(仮称)」で計上されている約1.7兆円の予算はまさに桁違いのかなり大規模なものです。

Go To Travel キャンペーンの懸念点

クーポンが入手しにくいのではないか?

過去のふっこう割クーポンは、先着利用順で枚数も限られておりすぐに完売するケースが多かったです。熊本地震のふっこう割では偶然仕事の移動中にクーポンをゲットすることができましたが、普通に仕事をしている日なら恩恵を受けることはできなかったでしょう。

今回のGo To Travel キャンペーンでは、クーポンが仕事をしている人でも簡単に確保可能で、多くの人に平等にいきわたる方法を希望したいです。

(便乗)値上げがあるのではないか?

便乗値上げと言うと人聞きが悪いですが、数カ月間旅行ができず旅行業界は苦しいこと、割引があることで予約が殺到することより、旅行代金や宿泊代金は上がるのは上がるでしょう。せっかく割引クーポンを使えるのに割引してもそんなにお得でなかったということは避けたいところです。クーポンを利用する場合は過去に自分が行った、あるいは行こうと考えていてだいたいの相場が分かっている旅行先にするのが無難かなと思います。

そもそも旅行に行っても大丈夫なんだろうか?

新型コロナウイルス感染が落ち着いたとはいえゼロになったわけではありませんし、いずれ第二波が来ることも予想されています。まだ旅行に行っている場合ではないと考える方もいらっしゃるでしょう。

個人的な意見を述べると…当然新型コロナウイルスの感染者がゼロとなることは理想です。しかしながら、それを目指せばいつまでも旅行などの外出が困難となります。新型コロナウイルスに最大限の警戒をしつつ、日常生活を再開することが必要になってきます。「三密」などこれまでに分かってきたリスクが高い行動を避けつつ段階的に少しずつ元の生活に戻していくというのはある程度理にかなっているのではない思います。例えば冬にインフルエンザが流行しているからといって旅行を取りやめるでしょうか?今まで皆さん気にされずに行っていたと思います。もちろん感染拡大の兆候やクラスター発生があった場合は再び自粛を強める必要があります。状況をみながら段階的に旅行を再開していき、政府の方針に従い旅行に行ってもよいと個人的には考えています。

その他の「Go To キャンペーン事業」

先ほども述べたように「Go To キャンペーン事業」はGo To Travel キャンペーンだけではありません!

オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、1人あたり1,000円分のポイントを付与する「Go To Eatキャンペーン」や、チケット会社経由で期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを購⼊した消費者に対し、最大2割相当の割引・クーポンなどを付与する「Go To Eventキャンペーン」なども実施されます。

Go To Eat キャンペーン

オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した利用者に対し、飲食店で使えるポイント等を最大1人あたり 1,000 円分付与するというものです。

また、登録された飲食店で使えるプレミアム付食事券(2割相当分の割引等)も発行するということです。

Go To Event キャンペーン

チケット会社経由で、期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを購入した利用者に対し、2割相当分の割引・クーポン等を付与するというものです。

Go To 商店街 キャンペーン

商店街等の実施するイベント開催、プロモーション、観光商品開発等の実施を支援するというものです。地域産品・飲食クーポン券付与事業を支援するという話もあります。

そもそも旅行はいつから行っていいのだろうか?

国内旅行

首相官邸は、5月25日に実施した「第36回新型コロナウイルス感染症対策本部」の資料を公開しています

こちらでは政府が考える外出自粛の段階的緩和目安を示しています。

以下に要点を抜粋します

令和2年5月25日から緊急事態宣言が解除されることに伴い、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が改定され、「新しい生活様式」の定着等を前提として一定の移行期間を設け、外出の自粛や施設の使用制限の要請等を緩和しつつ、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げることとされている。各都道府県においては、移行期間において、特に下記の事項について留意されたい。8月1日以後の取扱いについては、今後検討の上、別途通知する。

1.移行期間
移行期間については5月25日から7月31日までの約2か月間感染の状況を見つつ、延長することがあり得る。)とし、この移行期間において、感染の状況を確認しつつ段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていくこととする。
具体的には、地域の感染状況や感染拡大リスク等について評価するための期間として3週間程度を要すると考えられることから、移行期間中において、外出の自粛、催物(イベント等)の開催制限、施設の使用制限の要請等について、6月1日、6月19日、7月10日から、それぞれ段階的に緩和することとする。
ただし、一部の地域で感染拡大の兆候やクラスターの発生が見られた場合は、都道府県知事は速やかに当該地域における対応を再検討することとする。また、仮に再度緊急事態措置の対象となる都道府県が生じた場合においては、具体的取扱いについて、別途通知する。

2.外出の自粛等
基本的対処方針の三(3)6)①のとおり、各都道府県は、5月31日までの間においては、引き続き都道府県をまたぐ不要不急の移動は避けるよう促すこと。6月1日から18日までの間においては、5月25日に緊急事態措置が解除された5都道府県相互間及び当該5都道府県と他の都道府県との間の不要不急の移動については慎重に検討するよう促すこと。

また、観光振興に関しては、基本的対処方針の三(3)6)①を踏まえ、まずは県内観光振興から徐々に取り組むこととし、6月19日以後に都道府県をまたぐ観光振興に取り組むことする。また、観光地において人と人との間隔を確保するよう周知すること。

 

要点をまとめますと

5月25日からはソーシャルディスタンスを確保しつつ「観光振興は県内で徐々に」、
6月1日から6月18日までは「5月25日に緊急事態措置が解除された5都道府県相互間及び当該5都道府県と他の都道府県との間の不要不急の移動については慎重に検討」、
6月19日から「観光振興は県をまたぐものを含めて徐々に」、
8月1日をめどに、宿泊・施設利用・飲食クーポンなどを付与する「GoToキャンペーン」による観光支援も実施

という段階的緩和に言及されています。

 

海外旅行

ちなみに海外旅行については相手国がどう考えているかに大きく依存しますので現状では予想困難です…

新型コロナウイルス感染の封じ込めに比較的成功したと考えられる台湾ですら観光客の受け入れは10月に解禁というニュースも入っていますので、少なくとも年内はかなり厳しいのではないでしょうか…

もし海外旅行に行けたとしても入国または帰国後、一定期間隔離される恐れもありますので短期での海外旅行はしばらく厳しいと考えておくのが妥当でしょう

また、海外渡航する人に、抗体検査やPCR検査を実施し、非感染が確認された人に「陰性証明書」を発行して、渡航を容認する方向で検討しているという話もあります。

陰性証明はハワイの観光再開案でも出てきているようです。ハワイが7月末に日本からの観光客受け入れを再開したいと言っているようです。

しかし、ハワイへ出発前の検査を義務付け、陰性だった場合には14日間の隔離義務を免除するという “Travel With Aloha” プログラムを検討しているという話もあります。

インフルエンザと同じで、陰性証明書は検査結果を記載しているだけで、非感染証明書にはなりません。偽陰性もありますし…

実際にコロナ専門家有志の会も「新型コロナの陰性証明はできません」という声明を出しています

まず現状として海外渡航のために抗体検査やPCRをやってくれる医療機関はかなり限られます。都市部以外ではまず無理でしょう…

しかも、海外渡航のために抗体検査やPCRを実施するとなると「保険適用外」となりかなり高額になります。実際大阪のとあるクリニックで抗体検査や陰性証明を英文で発行しているところがありますがなんと3万円します。

これを家族全員と考えると…そこまでして海外旅行に行ける人はどれだけいるんでしょう??

新型コロナウイルス感染が完全に終息する前に、早期に海外旅行に行くには相当な金銭的コストや手間、時間的浪費を覚悟する必要があると予想されます

最後に

日本旅行業協会(JATA)が行った緊急Webセミナーの内容からGo To Travel キャンペーンの概要をまとめ、政府が発表している「外出自粛の段階的緩和の目安」を参考にいつから旅行に行っていいのかを考察しました。

このまま新型コロナウイルス感染を抑えることができれば、6月18日までは県内旅行、6月19日から7月31日までは県をまたいだ旅行、8月1日以降は制限なく旅行してもよさそうです。
海外旅行については、各国の考え方や入国帰国後の隔離の問題があり早期は困難と予想されます。

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